(文長いです・・・)
ベルナルド・ベルトルッチ監督の「パートナー」を
見に行ってきました。
元々は1968年の映画なのですが長らく日本では劇場未公開で
ソフト化もされていない幻の作品とよばれてました。
私はベルトルッチの作品はほとんど映画館で見たのですが
これだけは見ていないので、ようやく見る事ができました。
ベルトルッチ自信はこの映画はアナーキーで実験的な映画すぎて
あまり気にいっていないというような事がインタビュー本で
書かれていたので、まぁある程度覚悟して行ったのですが、
後の傑作といわれる「暗殺の森」や「ラストタンゴインパリ」に
負けず劣らずベルトルッチらしさが冴えわたったいい作品でした。
たしかに当時酔心していたゴダールの影響は感じられるのですが
もう、この頃からベルトルッチ特有の確固たるスタイルができていたのですね。
絵を見ながら解説すると
1コマ目・・・冒頭、ピアニストに会いにくシーン
黄色を基調にした画調で、アール・ヌーボ調の
シャンデリア(の影)がグルグル回り蜘蛛を
象徴したような影の使い方。
メトロノームと泡のような効果音が特徴的。
ベルトルッチらしいスーツの襟を
たてて着るコスチュームへのこだわり。
2コマ目・・・シネアストらしい古典映画の引用。
「戦艦ポキョムキン」のオデッサの階段シーンのパロディ。
階段に乳母車置くだけで”ポキョムキン”が引用されるのて
数人が横断歩道渡るだけでビートルズのジャケット写真ぐらいの
インパクトありますね。
3コマ目・・・フランシス・ベーコンの絵を意識した画作り。
または小道具の使い方は「ラストタンゴインパリ」に
引き継がれるんですかね。
まぁクダクダ言ってますが、ようするにこの映画は超豪華なアジ*映画でしょうかね。
この時代は学生運動や革命運動が吹き荒れた時期でもあり、もろ時代の波を被っています。
しかしベルトルッチが撮ると、とても美しくなるのは、なぜなんでしょうか?
やはりブルジョワ育ちだからでしょうか・・・
*アジ・・・アジテーション(agitation)
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